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徒然花

生きる意味を求めて

「芸者遊び」と「おもてなし」の向こうにある細やかさ

芸妓さんの芸を見ながらの

お酒の席というのに

生まれて初めて出た。

 

お店、と言っても

自宅を改装してあるのだが、

入り口をくぐるとそこはもう異世界。

 

入り口の傍には

柳の木があり(見返り柳?笑)、

飛び石に白い砂利敷きの通路を通り、

篝火を脇に見ながら玄関へ向かう。

 

中へ入ると、

カウンター席になっており、

最大で6人まで座れる仕様。

 

そのカウンターから向こうは、

最初障子で仕切られ、

それが開けられると檜舞台が姿を現す。

 

白屏風とその両脇に灯籠が2つ、

そしてその前には芸妓さんが座しており、

その方の舞で本日の席が始まった。

 

芸妓さんも去ることながら、

出てくる料理も、

目もあやな盛り付け。

 

しかも、

料理は板前さんを雇っているのではなく、

芸妓さん自身でお作りになるそうだ。

 

 

こんな世界があるのかと

目が飛び出る思いだった。

 

それにしても、

なぜこんなにも

異世界感がするのか不思議だった。

 

「ちょっといい感じのカフェ」とは

全く違う雰囲気を持っている。

 

その雰囲気の源泉は、

恐らく、一つ一つの「細やかさ」であろうと思った。

 

芸妓さんの姿一つとっても、

華やかなお化粧に、

一人ひとりへの行き届いた気配り、

舞や笛の仕込まれた芸、

たおやかな所作、

髪の結い方と帯の締め方で歴が分かるという点や、

またその歴に相応しい衣裳があったり、

来たお客さんを徹底的にもてなす準備がある。

 

他にも、

食事だったら、

仕入れは産地から

出汁のとり方という料理法まで、

一つ一つが考え込まれていた。

そしてそれを盛る器も、

主張しすぎずこだわりが見える。

果ては、コップを置くコースターは手作りで、

お土産でお持ち帰りさせてくれるというおまけつき。

 

数え出したらきりがないし、

わたしが見えていないところにも、

心地よさを生み出す気配りがなされていると思う。

 

このお店の筆頭の芸妓さんも、

「本当に奥が深い世界です。

 わたしも勉強することが本当に多くて」

と仰っていた。

 

 

 

オリンピック招致のプレゼンで、

「おもてなし」という語が取り沙汰されたが、

一流のおもてなしというのを、

日本人であるわたし自身が

もっと知った方がよいと感じた。

 

この世界を見る前と後とでは、

わたしの中のもてなしの基準が

がらりと変わった。

 

いや、正しくは、

変わったというより、

拓(啓)かれた感じだ。

 

「え、そこも!?」

「おっ、ここも!?」という

細やかさを大事にしていきたい。

 

自分の生活の中で、

どこまで取り込むことができるか。

今後の課題だ。